遺傳と運命

 メーテルリンクは遺傳と運命とを云つたが、この兩者は、流轉といふ不可思議な黒水の流れ[#「流轉といふ不可思議な黒水の流れ」に白三角傍点]に潜んで居るもので――眠つて居た心靈が、どこか遠方の森かげで、ほら穴の中に目が覺めて、その顏を洗ふ時、幽玄な曉の光に初めてそれに氣が附くのである。その心靈とは外でも...

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三名の神秘家

 (十一) 流轉と生命

 三名の神秘家は頻りに理法といふことを説いて居るが、別に理法と云つて、心につかまへて置くべきものはなからう。そんな物を想像するから、メーテルリンクの樣に未知の理法など云つて、分らないところから一つの糸筋を引つ張つて來ようとするし、またエメルソンの樣に、理法の靈化することを云...

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墮落した萬有神教

 かう云へば、墮落した萬有神教だと攻撃するものもあらうが、別に崇拜する念を起さなければ、何も耶蘇教でいふ神と競爭するわけもないし,且、萬有神教の絶頂に登つて居るスピノーザの樣に、心と物とは一つの本體の二方面だといふ見解をも取らないから、個々別々な物の外に無限に重大な御神體があるとも思はない。存在して...

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