それは盲人の杖である

 然し、それは盲人の杖である。僕等は目が開いては却つて一大表象としての生命が縮まる動物であつて、暗い中をその杖で以つて探つて行けばこそ、その先きへ無限の道が響いて來るので[#「僕等は目が開いては」~「來るので」に傍点]――一たび目が開いたら、位を忘れてしまつた暗算家と同樣、もう、別な人間である。かう...

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僕等の意志は運命と同じ

 (十四) 表象の効果

 僕等の意志は運命と同じで、盲目である,だからいつも手を虚空に擧げて、何か觸れるものを求めて居るので、その觸れるものがあつたと思へば、それがまた自分の意志であるから、仕方がない。たとへば、病床にあつて、自分の枕をして居るのが分らないで、何だか暗いところへ引つ込まれるやうな氣...

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性善性惡の爭論

 (十三) 善惡の否定

 性善性惡の爭論はもう古臭くなつてしまつた。僕の論旨から云ふと、宇宙は根より水を吸ふ時は草木である、口より食を入れる時は人畜である[#「僕の論旨から云ふと」~「人畜である」に傍点],性善を標榜し、または性惡を主張する時は、その間ばかりは、孟子又は荀子の樣に、内容もない善惡の...

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